あなたと。

『圭祐!行くよ!』
『うん!』
『大丈夫か?抱っこ?』
『いい!歩けるんだってば!』
『ごめんごめん!』
『もー!』
『はい!帰ろう!』
『僕がケガしたから怒られちゃう?』
『ん?』
『パパ!ばーばたちに怒られる?』
『怒られないよ?大丈夫だ!』
『ごめんね!』
『なんでだよ!心配するな!』
『僕が悪いのにパパが怒られるかなって思った』

あぁ。かわいいな。

『もし怒られてもパパはばーばたち怖くないよ』
『僕も怖くないけど!パパが怒られるのはイヤ』
『じゃあパパはばーばたちに怒られないようにしないといけないな!』
『うん!』

俺は圭祐を抱き上げて肩車した。

『パパの肩車はみんなより高いねぇ!』
『高い?』
『うん!パパのが1番高い!』
『圭祐!』
『なぁに?』
『また大きくなったなぁ!』
『大人になったらパパと同じくらい大きくなる』
『それは楽しみだな!』
『それでね!体育の先生になって消防士になる』
『おおっ!どっちも体力必要だぞ?』
『うん!だから今から頑張るの!』
『でもこの傷は?』
『痛いなぁ!』
『ははっ!痛いか!』
『でもこんなのすぐに治るから痛いのは今だけ』
『そりゃあ逞しいなぁ!』
『パパみたいに強くなるの!』
『パパ強いの?』
『うん!強いよ!』

そう言ってくれる圭祐。
俺はお前の自慢のパパになれてますか?

『僕を守ってくれるし抱っこしてくれる!』
『そんな事いつだってするよ?』
『大きくなったらパパの事は僕が守るの!』

圭祐が俺の歳になった時
圭祐は俺に何を思うんだろうか。
母親を知らない圭祐は
いつ母親を恋しく思うんだろうか。

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