消えかけの灯火 ー 5日間の運命 ー
「お前さん、死ぬよ」
婆さんは、長い爪が目立つ人差し指をピンと俺に向ける。
「……は?」
突然の意味不明な発言に、俺はより一層その婆さんに不信感を持ってしまった。
よく見ると、机の前には『占い師』『一人30分5000円』と書かれた紙が貼られていた。
やっぱ占い師……?
てか値段高!!
30分で5000円とか、払う奴いんの……?
てか、誰も来ないから俺が引き止められたんじゃ?
……これは、詐欺られる予感しかしねぇ。
「ふむ。金は要らん。わしの厚意で見てやる。感謝せい。」
まるで俺の心を読み取ったかのように、婆さんはそう口にした。
「はぁ……」
とか言ってこの婆さん、占うだけ占って後で金請求すんじゃねぇの?
こういった類の詐欺よくいるじゃねぇか……。
誰が信じるかよ。
「わしが最後に金ぶんどろうとしたら警察でも何でも呼べば良い。だからこっち来なさい、こっち!」
また、俺の心の中を呼んだかのように発言をしながら勢いよく手招きをする婆さんに、さすがに俺はビビった。
こ、この婆さん、なんで俺が考えてることわかんだよ?
なんなんだ、この婆さんは……。
俺は占いとかそういうのに関心が無く、目に見えないものは信じていない。
だから正直こういうの、興味は無いんだけど……。
まぁどうせ帰っても暇なだけだし、そこまで言うなら……ちょっとくらい相手してやってもいいか。
俺は不信感丸出しでじりじりと婆さんの方に近寄っていく。