この恋に名前をつけるなら、
「いやー、泣かせるね〜。マリア様は」
歌い終わったと思ったら
私の後ろからそう呟く声がした
「カズ!!!」
後ろに立っていたのは
シンちゃんの弟分でバンド仲間
私の数少ない友達の
藤枝一樹 16歳。
「カズぅぅぅ。
最近全然遊んでくれないじゃん、、」
「お?そんなに会いたかったか俺に」
と冗談をいって笑いながら抱きしめていたら
「ちげーよ、浅野に会いたいんだよ。」
と冗談を言ってきたシンちゃん
「やめてよ、シンちゃん!!
忘れようとしてるのに、」
「え?、浅野ってあのロリコン野郎?
忘れたってことは切れたの?」
「カズまでやめてよ、終わったけどさ。
浅野さんのこと変な風に呼ばないでー!」
カズがいたら中学時代のことを思い出し
少し懐かしく思っていた時
「まぁ、切れてよかったよ。不倫なんて
これでも俺心配してたんだぞ?
特にシンとかバンドの練習で集まるたび
マリアのやつって愚痴ってたよなぁ。」
「え、そーなの?」
「そーだよ。笑」
その会話をカズのとしながら
横目でシンちゃんを見たら
たまたま目があって
困ったように笑いながら
視線を外し
何も言わずにギターを弾く
「とにかく、
これからは俺たちとやってくからさ
落ち込んでる暇もないから大丈夫だよ。」
「なんの話?」
そう私がカズにたずねると
「え、お前聞いてないの?
今日のこと。」
「何も聞いてないけど、」
「おい、シンどうなってんだよ?」
カズの話についていけなくて
困惑していたら
シンちゃんがいきなり
「あ、マリアに言うの忘れてた。」
「なんで昨日の今日で忘れるかなぁ、、」
「ごめんねカズキー。
マリアが朝から浅野浅野って
喚くから忘れてたわ。」
「んー、それは気の毒だったね。
マリア様の子守はてーへんだからなぁ。」
「本当にねぇ、、
昔からマリア様はツンケンツンケン
してらっしゃるし、、」
「でしょー?
お顔はよろしくてもねぇ、他が、、、」
2人が私の悪口を言い出しそうな
流れになったきたから
「帰ろうかー?」
と笑顔で無理やり話を遮って言うと
カズが急に私の手をとり
とびっきりの笑顔をむけてきて
「マリア!俺たちのバンドで歌ってくれよ」
嬉しそうに言った。
私は急すぎて何がなんだか
わからなかった。