この恋に名前をつけるなら、
___


「そういえば、来週の日曜日にさ前のバンドで
ライブハウスの枠押さえてたから
空いてるんだけど、俺らで出る??」



とカズが言い出した。



「お、いーじゃん。」

と乗り気のタカに


「いや、なに弾くの。」


冷静に突っ込むシンちゃん


「えー、今までコピってたやつでいーじゃん。
マリアなら洋楽も歌えるし。
タカはなんでも大丈夫だろ?」


と適当なカズに
シンちゃんがため息をつきながら


「タカはいいとしても
マリアは初めてだしさぁ、
そもそもどこで練習するんだよ」


と言うとカズが


「タカの家できるよ?」


と言った。


「いや、タカの家ったって部室じゃないんだから。ドラムねーじゃん。」


「それがあるんだよ。
この馬鹿が買ったけど家に置けねぇから
俺の家に送りつけてきやがってよ。

こいつ調子乗りすぎだよ、、」


シンちゃんの会話に
タカがタバコを吸いながら参加してきた。


「調子乗ってるって、また女に貢がせてんのか
お前ホント飽きないよな、母ちゃんが泣くぞ!

てことは、ドラムも貢ぎ物かよ!!」


とあきれながら言うシンちゃん。


「いやぁ、だってキョーコさんが
買ってくれるって言ったんだもん。
キャバ嬢ってもうかるんだね❤︎」


「なんだそのいい女は、俺にも抱かせろ。」


「だめー、タカ紹介しちゃうと
絶対とられるもん、俺の金ヅル!」


2人の会話に呆れて
ため息をつくシンちゃん


そんな3人の茶番を聞き流しながら
シンちゃんの部屋のCDを見ていた。


「マリアはなに歌いたい?」


後ろから声がした。
振り返ると真後ろにタカが立っていて



「いや、、私はなんでもいいよ。」


「好きな歌手とかいないの。」


「歌えたらなんでもいいよ。」


少し素っ気ない返事をしていたら




「じゃあ、俺の曲うたってよ。」



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