この恋に名前をつけるなら、
「カッコいいね。一曲書けそう」



彼があまりに真剣な顔をして
そう言ってくるから 

さっきまで卑屈になってた自分が
どうでもよくなって笑えてきた。


そんな私を見て笑いながら彼が


「可哀想だから寂しく死なないよう
見届けてやるよ」



タバコを吸いながらそう呟いた。




「タカが先に死んだらどうするのー?」


笑いながら尋ねると






「三途の川で待っててやるよ」




やばい、ど真ん中入っちゃった。



その言葉は私にとって
"好きだ"と100万回言われるよりも  
満たされるものなんだろう。


なんでかはわからないけど
いつもの埋まらない寂しさが
少し癒されたように感じた。




この人ならシンちゃんのことを
忘れさせてくれる


そう思うと
私は思わず彼にキスをしてしまった。


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