この恋に名前をつけるなら、
「7歳?、じゃあ日本に来た時?」
「うん、そのくらいだったなぁ。」
「へぇー、どんな奴?」
「優しいお兄さんだったよー。
そのままの私でいいって言ってくれたの」
「ガキが上手いこと言うじゃねぇか。」
「当時ね、日本暮らしに慣れなくて
ママに怒られるばっかりだったの。
英語は使っちゃだめ、
挨拶にキスしちゃだめ、
新しい名前を使いなさいって、
全て否定されるみたいで
結構辛かったんだ。
そんな時にありのままで良いって
言われちゃったら
ヒーローみたいにさ
かっこよくみえちゃって。
まぁ、玉砕したんだけどねー。」
当時を思い出しながら
懐かしそうに話す
「今でも好きみたいに言うね。」
「そうだねー。
彼のおかげで生きる希望が湧いたからね」
「シンのおかげでかぁ、」
思わず振り返ってしまった。
「え、間違ってる?」
そう聞く彼
「なんでわかったの?」
そう尋ねると
「お前見てりゃわかるよ。
シンの話が出るたびに目の色が変わるし
その語尾を伸ばすムカつく話し方は
シンそっくりだ。」
彼は困ったように笑いながら
私の頭をなでた