この恋に名前をつけるなら、
「よかったよー、浅野さん。

 浅野さんはシンちゃんと違って
 紳士だし優しいし」


「俺も紳士だし優しいよー?」

 

「全然笑えなーい!」


「はいはい、それでー?」



「もぉ、、、

浅野さんの英語がさ、イギリス英語だったの
イギリスで留学してたんだってー。


それでさ言ってもないのにマリアのこと
ミアとかsweetieとか呼んじゃって

パパのみたいに...

たぶん心地よかったのかなー。」


「へぇ、浅野をパパに重ねてたと。
そしてやることヤッて。

マリア、、近親相...」


「、、、。
なんなら一緒に楽しみます?お兄さん?」


「やだよ、おめーなんか。
俺はおっぱいの大きいお姉さんがタイプなの!」


「もー、うるさいよー?
さっきまで泣いてたのが馬鹿らしくなってきたよ。」


「ふっ、、そりゃよかった。
兄ちゃんこれでも心配してたんだぞ?」




小馬鹿にしたように笑うシンちゃんに
また慰めてもらった。




小さい頃から私がシンちゃんを頼れば
絶対にシンちゃんは助けてくれた。




彼は私のことを女として見ないけど
妹として無視できない存在なのを分かってるから




心配してもらえるように
私はわざと馬鹿なことをする





私はずるい女だ。



だけどこれもシンちゃんのせいだよ。


シンちゃんが女として見てくれないから




シンちゃんの目に私が映るよう
いつまでも馬鹿な女を演じ続けてあげる







眩しい太陽に青い空
綺麗な桜並木の通学路

そんな風景とは
似合わなすぎる会話をしながら
学校へ向かった。
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