この恋に名前をつけるなら、



「あれ、シンは?」


「シンは喪主だよ。」



会場についてシンの姿をさがすカズに
そう伝えた。



親族の位置でやけに凛々しい表情で背筋を伸ばし、訪問客1人1人に頭を下げるシンは
痛いしく見えた。


だけど、親族の列になんの違和感もなくマリアがシンの横に座っていた。



シンに泣きながら甘えるのように
寄り添うマリアが

シンの腕を支えているように見えた。



それを見て少しホッとした。


シンはマリアがいれば壊れないと。




そしてもう一つ決心もした。

大事なお前らの為なら
俺も憎まれ役演じてやると。



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