この恋に名前をつけるなら、
まぁ、それからは
俺は親に強請ってドラムを買ってもらい
毎日毎日練習した。
少しでもタカに近づきたくて。
タカはあまり部活に顔を出すことはなかった。
社会人とか高校生とかともバンドを組んでるかららしい。
そんな自由な所さえカッコよかった。
学校では中々会えないからと
タカに会うためにこのバーに通った。
そのおかげでか
タカの女癖の悪さまで俺に移ったと
マスターはよく嘆いていた。
それでもタカやシンがいるこの場所が
居心地がよかった。
ところがある日
タカは学校にもバーにも姿を表さなくなった。
心配して家に訪ねて行くと
俺の憧れのタカの姿ではなく
とても冷たい目をして疲弊した彼が立っていた。