この恋に名前をつけるなら、

______



それはあまりに突然だけど
心のどこかでは納得していた。



「タカのこと聞いたんだって?」


「うん、、、、。」



タカが私に言ったとカズに伝えたからか知らないけれど、
カズが飲みに行こうと誘い出してくれた。




「それで、マリアはどうするの?」



「どうするもなにも私高校生だし、、」



「タカと一緒に東京行ってやれない?」



「え、、?」



「マリアが行くなら俺も行くよ。
学校なんか辞めて人生かけてみない?」



皮肉にもタカに1番言って欲しかった言葉を
カズから聞くなんてね、、。



「ありがとう、カズ。

でも私は行けないよ。」



「でもっ、、。

お前ら一緒にいなきゃ
壊れちまうじゃん!!」



「…カズ、私ね
タカの為に歌ってるわけじゃないんだよ

私は私の為に歌ってるんだ。」



「マリア、、。」



なんでカズの方が泣きそうな顔してんのよ。
私が泣きたい時なのに。




「それに今はシンちゃんも置いていけないよ。」






「なんか、お前成長したな、、。」



カズがそう笑いかけてくれた。


そうだよ、
私はもうあの頃の弱い私じゃないんだ。


タカと出会って変われたの。



タカはわたしに

歌う喜びをくれた
ギターをおしえてくれ
生きる希望をあたえてくれた




だけど私はタカの為に
何をしてあげれただろう。




自分の夢のために
自分の我がままのために

タカを優先してあげられなくて
ごめんね、、。






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