この恋に名前をつけるなら、


『行かないでと君に言いたいけれど
言えない理由が山積みなだけじゃなくて
本当に大切にしなきゃいけない
ものに気付き始めたから

春を音にしたような声で
あの日のようにもう一度私を
私の名前を呼ばれたら
我慢できなくなりそうだから
せめて泣かないように送り出すよ
愛してる。』




歌い終わると直ぐにタカに抱きしめられた。


泣かないって決めたのに
タカがずっと泣くから
結局私も泣いちゃったよ。



「お前ホント、イイ女だよっ、、」




私たちは最後にもう一度
お互いの愛を確かめ合うように
空が明るくなるまで抱き合った。


今までの想いを
すべてぶちまけるかのように。


何度も何度も何度も。



そうする事で私達は繋がっていたから。






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