この恋に名前をつけるなら、



サヨナラは言わなかった。


だけど離れて暮らすことが
2人にとって致命的なのは分かっていた。


電話やメールなんて価値はない。
抱き合えなければ意味がない。



タカが言葉にできない寂しさを
夜毎私の中に吐き出しているのを
感じていたから。

私が言葉にできない愛しさを
夜毎彼を求めるとこでわかってくれてることを感じていたから。




誰よりも深く感じていたのに。





あれからもタカの穴を埋めて
スパソルは活動を続けている。


私が歌う為に。



今でも時々後悔する。

タカのいない日常が
全て夢の中の出来事に思えたりする。



特に、満開になった桜が咲き誇る頃に


タカと別れて1年10カ月。
もうすぐ2度目の春が来る。

三月の高校卒業祝いには
頑張った自分にプレゼントを買いに行こう。




東京までの片道キップ





荷物はギターとタバコさえあればイイ。



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