冷徹社長の初恋
プロポーズは下見の後で!?
翌日からまた、一週間が始まった。
昨夜、剛さんが付けたキスマークは、どうやっても隠せなくて、仕方がなく絆創膏を貼っておいた。


「おはようございます」

「ああ、おはよう。町田先生」

川原先生は、いつも通り早くから出勤していた。
ふと私の首元に目をやり、首を傾げる。

「町田先生、それ、首のところどうしたの?」

「えっと……ちょっと虫に刺されたところを、掻き毟ってしまって……」

「ふうん」

何かを考えるように呟かれ、勘付かれてしまったのかもと、気になってしまう。

「気を付けないとだめだよ。タチの悪い虫もいるから」

なんとなく意味深な視線を向けられたようで、ドキリとする。
川原先生は、なにごともなかったかのように、仕事に目をもどした。




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