三日間の幸福
その日の夜、私は荷物をまとめた。

そんな私を見ても、平良は何も声をかけてこない。

会話もなく夜は過ぎていった。

次の日、荷物を抱えて家を出ようとすると、やっと初めて平良が話しかけてきた。

「本当に出てくの。」

どんな感情なのか、全然読めない顔。

平良からの最終確認だ。

私はただ頷いた。

そんな私を見て、平良の表情が歪んだ。

「これで終わりかよ、俺たち。」

平良の声が玄関に静かに響く。

なんで平良が泣きそうな顔をするの?

「ごめん、今は平良と一緒にいるのが辛い。」

私はそれだけ言うと、ドアを開けて部屋を出ていった。

大学3年の秋。
平良と私は別れた。
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