三日間の幸福
コーヒーを淹れてパンを焼く。
朝ごはんはこれで十分だ。

「いただきまーす。」

狭い一人暮らしの1Kに二人の声が小さく響く。

10年前に戻ったみたいだ。

私の視線に気付いたのか、平良がパンを咥えながら「ん?」と目を合わせてきた。

不思議なほどに幸せ。

私はこんな幸せになっていいんだろうか。

平良とはこれが最後なんじゃないんだろうか。

昨日の夜の平良の言葉を何度も繰り返していた。

一人にさせないって、それってつまりどういうこと?
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