金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「母さんは病気だったんだ。だから…あの日も、心が不安定で。」

私は大きく息を吐きながら部屋の隅に落ちたまま、割れた写真立てに目を向ける。

「 あの日……?」

「今日みたいに熱帯夜の夏の日だった。」

「 あの日……。」

「とても…暑くて……… 」

「あの日、何があったの………?」

「菜乃、金魚占いをしよう。
下のあぶくへ…行こうっ!」

瑠璃は私の手を握ると部屋を出ようと誘った。

強い不安と違和感を感じて振り返ると、積み上げられていたジェンガのタワーが音を立てて崩れ落ちた。

ガシャーーーーン

私はハッと振り返る。

気のせい?

瑠璃の座っていたベッドのシーツが赤く染まって見えたのは……

「 菜乃っ! 」

瑠璃の手にグイッと力がこもる。

「あ……あぁ、うん。」

気の…せい?
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