金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
         ○。
         。
*○

        ○。
         ○

やっぱり、いつもより静かに感じるお店の一角。

熱帯魚のブラックライトと小さなスポットライトだけでも、十分に店内を見渡せる。

見れば見るほど…小さなお店。

けれど…ここには何百匹もの魚たちが集っている。

青白い灯は瑠璃の瞳を一層…瑠璃色に輝かせ白い肌はこのまま透けてしまうのではないかと思うほど…繊細。

私は張り裂けそうな気持ちで、そんな瑠璃から目を逸らして金魚たちの水槽を見上げた。

「 綺麗……とっても。
悲しいくらいに…綺麗…。」

「あぁ……すごく。彼らは悲しい気持ちを綺麗にしてくれる。」

「 ……うん。」

「 ……………。」

瑠璃は愛おしそうに金魚たちを見つめた。

「ねぇ…瑠璃、私ね…ここへ引っ越して来る前に……」

自然と涙が糸を引く。

私は喉まで出かかっている言葉を探せずにいた。

「やっぱりいい。きっと…瑠璃は私を嫌いになる…そして、軽蔑する。」

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