金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
そして何より、大切なひとり息子の未来を私という小娘が変えてしまうことは、向こうの両親がうんとは言わなかった。

気まずくて焦る彼との間に…温度差を感じた。

深い溝ができたのが分かった。

「圭也の未来に傷が付く。」と言われたその時に、私から目を逸らして黙り込んでいた彼に…恋心が冷めた。

私の恋心はその時、終わった。

そして…それ以上に私を苦しめた一言。

彼の家から慰謝料をもらった帰りのママの一言。

「 本当に 彼の子?」

と、彼女は私に聞いた。

その時…その瞬間にママにも捨てられたと思ったよ。

傷ついた。傷つきすぎて…反発する声も出なかった。

「あんなにエリートで真面目そうな子……なんで彼氏がいたこと教えてくれなかったの…。

いつもゴウちゃんと仲良くしてたから、思わず疑っちゃってた。

圭也君みたいな子、どう考えても菜乃が誘惑したように見えちゃうよね。

そもそも不釣り合いだったんじゃない。

多いくらいの慰謝料も貰えたし……

菜乃はもう忘れればいいの。ねっ!」
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