金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「ここはダメだよ。」

抱きしめられたかと思うほど、瑠璃の胸や腕が近い。

「 ……瑠璃……。」

暗い廊下で、瑠璃の視線はじっと床を見つめる。

「ごめんなさい…。瑠璃の部屋だよね…。
ごめん、勝手に……。」

「ここは……あの日のままだから…。」

「 瑠璃? 」

一瞬、しんとする二人の間の空気…その横顔が暗闇に溶けそうに見える。

瑠璃は壁ドンならぬ…扉に手をつくと私の顔に自分の顔を近づけると……ぐっとこっちを見つめて………


ニッと笑った。


な……なんだ……。

なんだろう、超……寂しい顔をするのかと思った。

「エロ本、隠してないから…入っちゃダメだよ。(笑笑)」

瑠璃はイタズラ笑いを浮かべると、私の肩に額をのせて、くくくっと笑った。

「まーーーた嘘ついてるっ(笑)
男臭い部屋になんか興味ないよっ!」

私は瑠璃の胸を軽く押して笑う。

「(笑)パンならあるっ。朝ゴハン食べよっ。」

まだ笑っている瑠璃は、ぴょこんと私の後ろに回ると背中を押して、居間へと向かわせた。


何だろう…この感じ。
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