金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
もうーーーーっ。なんで私がこんなに顔を赤くしなきゃなんないのぉ〜。

なんでこっちが焦ってんのぉ〜。

照れてるのは…なんで私ーーーーっ!?


いつもの作業着とは違う、広斗の私服姿と微かに漂う…車の芳香剤のホワイトムスクの移り香にクラッとする。

広斗をこうして改めて見ると、緊張するほどのイケメンだと確信する。

同級生には無い色気…というか、仕上がってる大人…というか、余裕すら感じる存在感…というか。

社会で働いている分19歳にしては大人っぽい気がする。

「別れた…っていうか、とっくに別れてる元カノだよ。」

「 ……そ…うなんだ。」

見られてしまった事を分かってか、広斗は自分から口を開いた。

やっぱり、余裕すら感じる態度。


「俺さぁ…。あいつのこと…美結のことを、死なせるところだった。」


  ………えっ。


衝撃的な告白を耳にしていながらも、私は広斗の切ないほど強く、真っ直ぐな横顔に見惚れてしまっていた。

「 2年前……俺、バイクで事故を起こして……」

「 …………。」

「 美結と二人で2ケツしてて、カーブでトラックを避けたら曲がり切れなくて…二人して、数メートル飛ばされた。」
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