金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
いつかの広斗の言葉が、頭の中でこだまする。


“死ぬのだけは、やめろよっ”

“俺が助けた命じゃん。勝手に死ぬなっ。勝手に殺すなっ!”


彼は…命の狭間で苦しんだ人。

「ねぇ広斗…もしかして彼女の為に、学校辞めたの?」

「 ………いくらかかっても彼女の傷を自分で治してあげたかった。」

「広斗………。」

「俺がしたことだから。
それに…そもそも勉強は苦手だったから、別に。(笑)」


   嘘つき。私…人の嘘はよく分かる。

   広斗はとても優しい人。


「美結さんと…本当に別れてよかったの?」

「あの事故以来、ギクシャクしちゃって。 今月で治療が終わったらしいんだ。
一応、完治っ。
彼女、夢を叶える為に、東京へ行くって…。
なんだか…今、力抜けてさっ…。」

「広斗のこと…大好きだったって。」

「もう、そういう関係じゃないよ、お互いに。」

私、あからさまに嫉妬して…あからさまにホッとする。

「 ………なんか、そういうのは分からなくもない。」

「めっちゃ、力…抜けたらさっ(笑)ハートの風船がふわふわしてた。(笑)」

「 ……ごっごめんっ!そんなつもりなかったんだけど…動けなくなっちゃってっ…」

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