金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「俺なんかが…こんなこと言うのもおかしいかもしれないけど、未来って分からないじゃん…だから、もう二度と消えてもいいなんて思うなよ。」

「 …………。」

広斗は優しい目で私を見つめる。

「お前の未来…すんげぇ幸せかもしれないじゃん。」

   あ………。

   それ、どこかで聞いた。

  “ 未来…未来の幸せ”ってとこかな。

    瑠璃の金魚占い


「2年前、自分の顔の傷に絶望して…美結は俺の顔も見たくない、死にたいって…あんたのせいだって。」

    胸が張り裂ける。

こんなに真っ直ぐな広斗にそんな言葉を言いたくない。

「 未来が分からないから…美結は壊れていった。」

「きっと…不安だったんだよね。広斗のことが大好きだったから…好きすぎて、不安が甘えになって…そんな風に。」

「だんだん…精神が不安定になっていく彼女を受け止められなくて…色々あって別れた方がお互いの為だって。
だから、今は治療費を払うだけの関係に落ち着いてたんだ。」

「 そう…なんだ。」

「事故を起こした事も、彼女の気持ちを受け止められなかったことも、全部…俺が子供すぎた。」

「 うううん。美結さん…大好きだったって。」

「 (笑) 俺の未来…幸せかな?」

広斗は自分の膝を軽く叩くと、大きな伸びと同時に立ち上がった。
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