金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「広斗、いいものあげるっ!」

私も慌てて立ち上がるとポケットから金魚の飴玉を差し出した。

「(笑)何?」

「知らない?金魚占い。」

「金魚占い…?」

「夜市で有名な占いだよ。とっても…よく当たるの。」

「 へぇ〜。夜市……?」

「黄色の金魚形の包み紙、中身は透明な水色…。
“未来の幸せ” なんだって。」

「 ……へぇ〜。」

「 広斗の未来……すんげぇ幸せかもしれないじゃん。(笑)」

「(笑)だーーーーといいなっ。」

「 あげるっ 」

「くれるの?」

「 うん。」

「(笑) さんきゅっ 」

広斗と笑い合って、ハッとする。

   あっ……! 絵馬っ!

  瑠璃、探してるよね…私のこと。

「ごめん、広斗。私、人、待たせてるっ!」

バタバタして、元来た池の奥の小道へ戻ろうとする私を広斗が呼び止める。

「 おいっ!こっち、菜乃。」

「 えっ……。」

「(笑)順路はこっち。こっちの鳥居から回るんだ。
俺たち、地元の都市伝説……。
その1〜。
100年絵馬の入り口は逆から回ると… 」

「 逆から回ると? 」

「オバケに会うゾっ〜(笑)」

「 ………やだぁーーーー!早く言ってよぉ〜。もう遅いよぉ〜!こっちから来ちゃったよぉ〜っ!!(泣)」
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