妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~

言い終えると同時に、急に箸が進み始めた彼に対して、笑みをこぼす。

今夜も、とろけそうなほど甘い時間に溺れるのを覚悟をし、私も「いただきます」と声を弾ませた。



翌日。

石田教授が教鞭をふるい、なおかつ私が志望している大学の近くで落ち合った後、三人で食事をという話になり、そのまま近くのフレンチレストランへ。

晶子先生と石田教授は昔から友人でもあるため、話は尽きない。

音楽に関するそれぞれの持論を熱く語ったり、途中で青砥夫妻の馴れ初めが石田教授によって暴露されたりなど、ほぼ聞き役だった私にとっても、とても有意義で楽しい時間だった。

石田教授を駅で見送ってから、私は晶子先生とタクシー乗り場へ。

客待ちしていたそれに共に乗り込み、私は一息ついてから、バッグからスマホを取り出す。

新しいメッセージに笑みを浮かべて返信していると、晶子先生が小さく笑うのが聞こえた。


「恭介? さっきから何度も何度も」

「はい、そうです。彼、今日は兄と会ってたんですけど、今から家で飲み直すことになったって」

「あらそうなの?」


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