妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~
名刺には、『アザレア音楽スタジオ 社長 青砥恭介』の文字。
思わず「あっ」と声を上げてしまったのは、私も社名を知っていたからだ。
晶子先生のピアノスクールを始め、楽器店に音楽スタジオなどを運営をしている会社の社長が恭介君。
青砥家で恭介君が関わっていると聞いた時点で、アオト株式会社の傘下だろうことは予想がついていたけれど、まさか彼が社長という立場にあったことまではわからなかった。
「父の座は俺にはまだ早い。けど、別のトップなら話は別だ。きっちりと軌道に乗せるまでに少し時間がかかったが、お陰でいい経験になったよ」
「......いつの間にこんな......参った。お前は本当にすごいやつだよ。そりゃ、父さんも気にいるわけだ」
兄のぼやきに思わず笑みが浮かんだ。
亡くなった父が、自分の親友の息子である恭介君のことを頭が切れるし行動力もあると、とても買っていたのを思い出したからだ。
「いつか美羽を嫁にもらってくれって、うんざりするくらい言われてたよな」
「俺は言われてうんざりしたことは一度もない」
「お前もしかして、嫁にもらわなくちゃって父に洗脳されてないよな? だって美羽だよ? 他にもいい女がたくさんいるだろ」
思わず「あっ」と声を上げてしまったのは、私も社名を知っていたからだ。
晶子先生のピアノスクールを始め、楽器店に音楽スタジオなどを運営をしている会社の社長が恭介君。
青砥家で恭介君が関わっていると聞いた時点で、アオト株式会社の傘下だろうことは予想がついていたけれど、まさか彼が社長という立場にあったことまではわからなかった。
「父の座は俺にはまだ早い。けど、別のトップなら話は別だ。きっちりと軌道に乗せるまでに少し時間がかかったが、お陰でいい経験になったよ」
「......いつの間にこんな......参った。お前は本当にすごいやつだよ。そりゃ、父さんも気にいるわけだ」
兄のぼやきに思わず笑みが浮かんだ。
亡くなった父が、自分の親友の息子である恭介君のことを頭が切れるし行動力もあると、とても買っていたのを思い出したからだ。
「いつか美羽を嫁にもらってくれって、うんざりするくらい言われてたよな」
「俺は言われてうんざりしたことは一度もない」
「お前もしかして、嫁にもらわなくちゃって父に洗脳されてないよな? だって美羽だよ? 他にもいい女がたくさんいるだろ」