神様なんて、いるはずない!!
映画が終わり、エンドロールが流れ出す。私はベッドに再び横になり、目を閉じる。

気付けば、意識を手放していた。



騒がしい声で目を覚ます。もう四時になっていて、家に帰っている中学生の姿が見えた。

スマホには、お母さんから二時ごろにラインが来ている。今日は家に帰らないから、とのこと。お父さんたちとどこかいいお店で食べてくるのだろう。

「……私なんて、生まれなきゃよかった……」

お母さん、どうして私を産んだの?こんな思いをするくらいなら殺してほしい。私の体は泥んこでみんなと同じスピードで歩けないんだ。

悲しくて涙がまた出てくる。何で、昼間あんな映画を観ちゃったんだろ。今の自分と比べちゃって、ただ空しいだけだ。

「……ウウッ!!」

布団に顔を強く押しつけ、私は涙をこぼす。酸欠になって過呼吸を何度も起こしそうになった。

その時ーーー。


そうさ 神のまにまに 仰せのままに
誰だって地球を愛してる


ドアの向こうから音楽が聞こえてくる。聞いたことのある曲だ。
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