神様なんて、いるはずない!!
「亜子〜!!元気にしてる?」

「鍵開いてたから勝手に入っちゃった」

ドアの前から聞こえてくる声に、私の涙腺がまた緩くなる。それは、私の友達の加藤柚月葉ちゃん(かとうゆずは)と林紫音ちゃん(はやししおん)の声……。

柚月葉ちゃんと紫音ちゃんは、こんな私のそばにいてくれる大切な人。二人だけが私の味方なんだ。私は声を出したくなるのを堪える。

「反応ないね」

「きっと、頑張り過ぎちゃってるんだよ」

柚月葉ちゃんと紫音ちゃんはそう言った。二人には、家族のことなどを話したことがある。きっと全てを察しているんだ。

私はドアの前に立つ。二人は帰る気配を見せない。それがどこか嬉しいと思う自分がいた。

「よ〜し!今からパーティーしよう!!」

柚月葉ちゃんがそう言い、音楽を再生させる。そして、二人はドアの前で踊っているようでステップが聞こえてきた。


泥んこだけど 歩いて行こう
まだまだ先は長いさ

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