卒業まで100日、…君を好きになった。

奈々があんまりしょんぼりした声を出すから困ってしまう。


本当に、奈々は何も悪くないのに。

葉子ちゃんとの関係がギクシャクし始めてから、いちばん心配して気遣ってくれていたのは奈々だ。

奈々がいたから、ここまでなんとか持ち堪えてこれた。


これはきちんと言っておかなきゃと思って伝えると、電話の向こうで奈々が鼻をすするのがわかった。



それから平くんは葉子ちゃんを真っ直ぐ見て、「どっちが感じ悪いんだか」とも言ったらしい。


さすがの葉子ちゃんも言葉をなくしてたと、奈々は話した。



平くんが、葉子ちゃんに……。



納得した。

彼が去り際言っていたのは、このことだったんだって。

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