卒業まで100日、…君を好きになった。

そうなんだよね……。

裏門からこっそり出たところで、平くんとわたしが一緒に午後の授業を休んだことは、周知の事実。

そこはもう隠しようがない。



「途中まで送ってくれたけど、それだけだよ」

『ほんとかな~?』

「ほんとほんと」

『……唯さ、前に弟の方の平くん好きだったでしょ?』


突然声のトーンを落とす奈々に身構える。



「う、うん」

『だから兄の平くんにグラッときてもおかしくないんじゃないかなって』



それはつまり、平くんたちは双子で、ふたりの顔は同じだから、わたしが兄の平くんのことも好きになったんじゃないかってこと?



「……それは、どっちの平くんにも失礼だよ」


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