卒業まで100日、…君を好きになった。
「そこまでしなきゃ受からん学校なんぞ、行かなくていい」
「あなた……」
せっかく大好きなエビ天なのに、味が一気にしなくなった。
ただ事務的に弾力のある身を噛む。
わたしの時は、無理しなきゃ入れないところを受けろって言ったくせに……。
すでに中学受験で無茶な要求をしたあとだったからか、製菓の学校を受けると言った時は何も言わなかったけど。
お父さんはきっといまだに、わたしがパティシエになることが不満なんだと思う。
もしかしたらお父さんは拓に店を継いでもらいたい、なんて考えているのかもしれない。
だからわたしがこの道を進むことに反対した。
いままでそんな風に考えたことはなかったけど、そう思うと妙に納得できた。