卒業まで100日、…君を好きになった。
本当にわたしって単純なやつだ。
平くんの言葉ひとつで、すっかり明るい気持ちになってる。
スキップしたいくらい、なんて思っていたら、突然平くんがその場にしゃがみこんだ。
「あ~……」
「ど、どうしたの!?」
「いや……。そうだよな。そういうオチだよな」
「へ?」
「そうだよ。春川さんがあんな誘いかたするわけないんだよ」
また何かブツブツ言ってる。
わたし、平くんを困らせるようなこと何かしたっけ?
「危なかった。もうちょっとで勘ちがいするところだった」
「勘ちがい?」
「うぬぼれすぎだな……」
よくわからないけど、平くんは何か深く反省しているようだ。
わたしはひたすら首を傾げるばかり。
「春川さん」
「はい」
「まだ家に帰りたくないとか、言う?」
「ううん。ちゃんと帰るよ」