卒業まで100日、…君を好きになった。

「まだ1回目だし、出来なくて当たり前じゃん」

「でも平くんは出来たんでしょ?」

「けっこう失敗したよ。回数こなせば、春川さんも落ち着いて挑めるようになるって」

「……そうかなぁ」

「なんかわからないことあったら、力になるし」



これだもん。

そう言って笑う彼の目は、どきりとするくらい優しくて。

いつも感情をあまり表に出さない平くんだから、余計に鼓動が乱れてしまう。


わたしが勘ちがいしたって、誰も責められないと思う。

だからわたしが彼を好きになってしまったとしても、やっぱりきっと、誰も責められない。


彼は同盟仲間で、それに前に好きだった人のお兄さんだ。

自分でもナイなって。ダメだろって思うんだけど。

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