卒業まで100日、…君を好きになった。
自分の部屋に戻って扉をしめると、力が抜けてへなへなとその場に座りこんだ。
まだ胸が緊張でドキドキして痛い。
「はあ……よかったぁ」
やっぱり今日のあれは見まちがいだったのだ。
拓は確かにあの店にいたと思うけど、万引きはしてなかった。
弟の嘘の理由はわからない。
でも、盗んでなかったんだからもういい。
「明日、平くんに報告しよう」
わたしたちはほぼ毎日待ち合わせをして、一緒に自学に行っている。
明日も一緒に行く予定だ。
平くんも気にしてくれていたから、ちがったって言ったらきっと安心するよね。
わたしもこれで安心して学科の勉強ができる。
そう思ったのに。
今日買った問題集をベッドの上で広げていたら、安心し過ぎたのかいつのまにか眠ってしまっていた。