卒業まで100日、…君を好きになった。



「お、おじゃましま~す……あわっ」

「……何やってるの、春川さん」



靴を脱ぐのにひっくり返りそうになったわたしを、平くんがちょっと呆れたような目で見てくる。


だって、緊張しすぎて足がもつれちゃったんだもん。

スカートじゃなくてよかった。



「どうぞ、上がって」

「は、はい」



先に行く平くんの背を見て、慌てて靴を脱いでたたきにそろえた。


もう、なんでこんなことに……。

まだ少し混乱しながら、平くんを追いかける。


ここは高層マンションの1室。

平くんが住むおうちだ。


ほのかにラベンダーが香る玄関はとても広くて、シュークローゼットがめちゃくちゃ大きい。

一戸建てだけど玄関の狭い我が家より、ずっと立派でびっくりした。
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