卒業まで100日、…君を好きになった。



かくん。

自分の頭が揺れたことで目がさめた。


お味噌汁からたちのぼる白い湯気。

それを見ていたら、いつの間にか寝そうになっていた。



「唯。朝ごはん食べながら寝ないでよ。本当に寝意地がはってるんだから」

「ふあい」



返事があくび混じりになっちゃった。


あきれたように笑うお母さん。

隣りには黙々と焼き魚を食べる弟の拓。

わたしの向かいはお父さんの席だけど、もう仕事に行っていない。


これがいつもの、我が家の朝の風景だ。



「今日でテスト、最後だっけ?」

「ん~……うん。さいご」

「もう。しっかりしなさいよ」



夜遅くまでテスト勉強をしてたから寝不足で眠い。

というわけじゃない。


私は常時こんな感じで、昔から人よりちょっとだけ睡眠欲が強いのだ。
< 2 / 356 >

この作品をシェア

pagetop