卒業まで100日、…君を好きになった。

「……じゃあ、春川さんは、図書室で優しくしてもらって好きになったんだ?」

「んーと、そういうことになるのかな?」



正直気付いたら好きになっていて、優しいからとかかっこいいからとか、そういう明確な理由があったわけじゃない。

とりあえず、ひとめぼれではなかった。


勉強を教えてもらったことがきっかけだったのは間違いない。



「ふぅん。そうか」

「でも、あの、昔の話だから。いまは聡くんを好きとかじゃないので」

「そうなの?」



疑うように聞かれて、わたしはブンブンと首を縦に振った。


そこは勘ちがいされちゃ困る。

すごく困る。


いまわたしが好きなのは、兄の平くんなんだから。



「そうだよ! だからさっきのがもし冗談じゃなかったとしても、付き合ったりは……」
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