卒業まで100日、…君を好きになった。
もう1度良かったと繰り返して、平くんはわたあたしに背を向け普通に歩きだす。
でもあとから恥ずかしくなったのか、背中を丸めて今日はないフードをまたかぶろうとする。
結局ごまかすように自分の髪をくしゃくしゃとかき混ぜていた。
そしてわたしは彼を追うことも忘れ、立ち止まっていた。
いまのって、どういうこと?
まさか……でも、いや、そんな。
じわじわと、熱くなっていく頬。
どきどきと、走り出す鼓動。
ひどい人だ。
どこまでわたしを虜にして翻弄するつもりなんだろう。
平くんにそんな気はないとわかってはいても、恨めしく思わずにはいられない。
好きです。
あなたが、好きです。