卒業まで100日、…君を好きになった。

皆の受験が終わったわけじゃないけど、クッキーを食べてほっと一息ついてもらえればいいな。

葉子ちゃんには食べてもらえないかもしれないけど……。


クラスの下駄箱に、ひとつひとつクッキーの袋を置いていく。

見落とされないように、わかりやすい位置に。


葉子ちゃんのところに置いた時は、“どうか食べてもらえますように”と手を合わせて祈ってしまった。


クラス全員分を配り終わって、次に向かったのは特進クラスの下駄箱だった。

『平聡』の名前を探しあて、ためらいながら、隠すように置いた。



【お疲れさまです。
ありがとう。そしてごめんなさい】



聡くんのクッキーにだけ、ちゃんとしたメッセージカードを添えた。

手が震えて、何度も書き直したやつ。
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