卒業まで100日、…君を好きになった。
「つまり俺たちって、暇だよね」
「うん。暇人だねえ」
「つまんないよね」
「うん。つまんないねえ」
ミートソースをたっぷりつけたパスタを口に入れる。
美味しい。
けど、どこか味気ない。
きっと毎日が退屈なせいだ。
楽しい日々が続いていた時はご飯も美味しかったし、目に映るものがみんなキラキラしてた。
世界が幸せに満ちあふれていた。
つまり世界は、気持ち次第でいくらでも変わるもので。
そしていまわたしの世界は、どんより薄暗い灰色だ。
「だからさ、春川さん。俺と楽しいことしない?」
ハンバーグをナイフで切りながら、平くんが淡々とした口調でそんなことを言った。