卒業まで100日、…君を好きになった。
あと、わたしは何があろうと味方だから。
お父さんとお母さんが何と言っても、わたしは最初から最後まで、拓の味方でいるから。
それだけは約束するから。
そう言ったわたしに、拓はくしゃりと顔を歪めた。
見覚えがある。
この顔は、泣く寸前の拓の表情だ。
小さい頃、かくれんぼをしてなかなか見つけてもらえなくて不安になっていた時、転んで泣くのを我慢してる時、拓はよくこういう顔をしていた。
震えながら涙を流した拓を、わたしは優しく、なだめるように抱きしめた。
雨の音がうるさいビニールハウスの中。
拓の言葉をひとつたりとも聞き逃さないように、寄りそいながら相槌を打つ。
俄雨だったのか、話し終わるころには、雨は上がっていた。