卒業まで100日、…君を好きになった。
布団の上でうつぶせになっていたお父さんは、顔だけこっちに向けてジロリとわたしを睨む。
「大丈夫そうに見えるか?」
「だよね。……お父さん、まだ怒ってる?」
「当たり前だろう」
「なにに怒ってるの? 拓が万引きしたこと?」
「万引きは犯罪だ。自分の息子が罪を侵すなんて……」
ため息をつきそうになる。
全然だめだ。これじゃあ話にならない。
お父さんは拓の気持ちを、まるで考えようとしてないんだ。
「拓は万引きしたくてしたんじゃないよ」
「したくなくてするわけがないだろう。それとも誰かに脅されてやってとでも言うのか?」
「ちがうけど、でも似たようなものかも。追い詰められて、やったんだから」