卒業まで100日、…君を好きになった。

わたしは口に含みすぎたパスタを必死にもぐもぐ噛んでいたんだけど、

彼の言葉の意味を考えるために噛むのをちょっと休憩する。



ええと……楽しいこと?

それはいままさに、わたしが考えていたようなこと?


少し前まで、わたしのすべてだったような?


固まるわたしに気付いたのか、平くんはハッとしたように顔を上げた。



「いや、ちがう」


ちがう?


「楽しいことって、そういう変な意味じゃなくて」


変な意味?


無表情なのに、どこか慌てたように見える平くん。

彼はナイフとフォークを置くと、おもむろに制服から出ているパーカーのフードをかぶった。


どうしてそこでフードをかぶるの?
< 28 / 356 >

この作品をシェア

pagetop