卒業まで100日、…君を好きになった。
水を勢いよく飲んで、喉に引っかかったパスタを流しこむ。
空になったグラスをどんっとテーブルに置いて、
「いいのっ!?」
わたしは勢いよく立ち上がり、テーブルごしに彼に詰め寄った。
「え……」
「わたしなんかと遊んでくれるの!?」
平くんはびっくりしたように、見開いた目でわたしを見ていたけど。
しばらくしてぱさりとフードをとってうなずいた。
「……俺も退屈だし」
「ほんとに!?」
「受験生じゃないのって、俺たちだけだろ」
そう。
わたしたちはもう受験生じゃない。
そしてわたしたち以外はまだみんな受験生だ。
わたしは仲間はずれ気分で勝手に傷ついてるけど、みんなはまだ戦争のような毎日の中、必死に戦って神経をすり減らしている。