卒業まで100日、…君を好きになった。
「春川さんがイヤなら、もう、会わなくてもいいから」
平くんが、苦しそうにしぼりだすような声で語りかけてくる。
イヤじゃない。
イヤなんかじゃないんだよ。
ただ平くんが好きで、好きすぎて苦しいの。
「だから、卒業までは……俺の仲間でいて」
それはつまり、名前だけの、名ばかりの同盟。
それでもまだわたしと繋がっていたいと、そう言ってくれる君が、本当に大好きです。
「早く、良くなって。……卒業式で会おう」
力なく呟いて、平くんが動く。
ポンと軽く、布団の上から叩かれた。
彼の手を布団越しに、確かに感じた。
「お邪魔しました」
その言葉を置いて、平くんは部屋を出ていった。