卒業まで100日、…君を好きになった。

「わー! ご、ごめんね!」

「唯、大丈夫!?」

「ぶふっ! 唯なにやってんのー」



近くにいた友だちが声をかけてくれる。

心配してくれたのが奈々で、そのあと笑ってからかってきたのが葉子ちゃん。


バカにするような笑いじゃなくて、あったかい笑い方だった。



「えへへ……。ちょっとぼーっとしちゃって」

『そこ! 静かに!』

「わあ!? すみません!」



ステージ上の先生に指さされ、立ち上がって謝る。


体育館にドッと皆の笑い声が響いた。

恥ずかしい……っ!


でも、こんなにあったかい空気は久しぶりで、熱くなった頬を隠しながら、幸せな気持ちになった。


何より、葉子ちゃんの心からの笑顔に感動してしまう。
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