卒業まで100日、…君を好きになった。

「それ持ってさっさと出てけよ!」



空気が震えるような怒鳴り声に身体がすくむ。

拓を、弟のことを、はじめて恐いと思った。


喉が引きつったように、声がうまく出てこない。



「ご、ごめん。じゃあこれ、れ、冷蔵庫に入れとくから」

「しつけえんだよ!!」



わたしからお皿を奪うと、拓はそれを、

部屋の外に向かって投げつけた。


お皿の割れる音と、チーズケーキがべしゃりと潰れる音がした。



「誰が食べるか、あんなもん!!」



わたしのことも部屋の外へと突き飛ばすと、拓は乱暴にドアを閉めた。

ガチャリと鍵のかかる音がする。


わたしは呆然と、割れたお皿と潰れたチーズケーキを見下ろした。
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