卒業まで100日、…君を好きになった。



次の日の朝。

学校の靴箱の前で平くんと鉢合わせた。


周りに人がいないのを確認してから、お互い口をひらく。

だって秘密の関係だから。


クラスメイトなら挨拶くらい、普通にするはずなんだけど。



「おはよう、春川さん」

「平くん。おはよう」



いつも通りに返したはずなのに、平くんはほんの少し眉をひそめた。



「体調悪いの?」

「……え? なんで?」

「なんか顔色が悪いような」

「あー、うん。ちょっと寝不足だから……」



昨日はあれから、やりきれない気持ちで割れたお皿とチーズケーキの残骸を片付けた。

お母さんにちょっと拓とケンカしたことを話したら、困ったような顔をされた。


だから大丈夫とだけ言っておいた。

ただでさえ拓に気をつかっているのに、これ以上お母さんに心配かけるのは悪いし。

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