年上少女のことが好きな年下少年の恋物語



鈴ともう1人の実行委員、《 佐々木瑠子(ササキルコ> 》はクラスでは休み時間に1人で本を読んでいるような、静かな女の子である。




「ねぇ、佐々木さん、実行委員変わってよ〜」



瑠子の席の前に佇む女子がいた。


赤毛をツインテールにした、顔の整った子。



《 愛咲響<アイザキヒビキ> 》クラスの女子の頂点にいて、女子のリーダー気取りだ。



そんな響が、このクラスで一番弱いであろう瑠子に無理な話をもちかけている。





「・・・え、でも、もう決まって・・・・・・」


「そんなの、先生に『私はやっぱりできません。愛咲さんの方がちゃんとやってくれると思います』とか言えばいいじゃん!」




響は自分がどれほど自分勝手で馬鹿なことを言っているのかわかっていないようだ。





「私、鈴くんといっぱい一緒の時間過ごしたいの。ね?協力してよ?」




「・・・・・・」





クラスのみんなはそれを見て見ぬふりをしている。こんなの日常茶飯事だからだ。




掃除当番代わって。
今日筆箱忘れたから貸して。
寒いから上着貸して。



その全てを要求されても、瑠子は断らなかった。




「鈴、なんか言ってきたら・・・って、もう行ってるか」



正作が鈴に瑠子を助ければ、と言う前に、鈴は自席を立っていた。



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