年上少女のことが好きな年下少年の恋物語
「おい、もうやめろよ。そーゆーの」
「・・・え・・・?」
響が思わず声を漏らす。
「もう決まってんならそれまでだろーが。諦めろよ。しつこい女は嫌われるぞ」
響が鈴の言葉に思わず涙目になる。好きな男にそんなこと言われたら、まだ小さな女の子には大ダメージだろう。
「わ、私・・・っ・・・ただ、鈴くんと一緒に・・・いたくて・・・・・・っ」
「悪いけど、俺心に決めた人いるから」
一応言っておこう。鈴は不器用な人間である。
人の心を悟るのは困難である。だからよく人を傷つけてしまう。
だが、本人には自覚はない。
「・・・っ!?・・・もういやっ・・・」
響は教室から出ていってしまった。
教室がざわめき合う。
『ねぇ、聞いた!?心に決めた人って・・・・・・』
『やば!めっちゃ気になる!!」
自席に戻ると正作が呆れた顔をしていた。
「ほんとお前バカだな」
「俺もそう思う」
(心に決めた人がいるって・・・・・・やばい言っちゃった。恥ずかしすぎる!!!!バカバカ俺のバカ!!!!)
次の授業が終わるまで、彼の顔は真っ赤でした。