年上少女のことが好きな年下少年の恋物語
ゆずがとてつもなく緊張しているのを千代も桜賀も察していた。
「ゆずの、絶対放課後何話そうとか考えてるよね」
「うん。超緊張してる。てか手足ガクガクしてる」
そんなゆずを見た2人は、友達として放っては置けなかった。
「ゆず、私たちもとじ込み手伝うよ」
「・・・ほん・・・と・・・?」
ゆずの表情筋が和らぐ。まるで子犬のように表情をコロコロ変える。
「な?すぐるんいいっしょ?」
「・・・・・・」
そんなの当たり前のようにOKしてくれると思っていた。
だって、しおりのとじ込みなんか早く終わらせたいもん。早く帰りたいもん。
だが、彼は違った────────
「・・・いい。ゆずと2人でやる」
え。
えええええええ!!!???
ゆず!?呼び捨て!?てか2人の誘い断っちゃうの!!?
「・・・えー!?なんでだよ!!俺たちの優しさに甘えろよー!!」
「余計なお世話。誰も頼んでない」
「んだよそれぇえ!!俺たち中学からの大神友だろ!!?大神友!!おうりんとすぐるん!!」
「知らねそんなの」
「なっ!!?ひどすぎ・・・・・・」
「そーかそーかぁ。わかった!んじゃ2人頑張ってね〜。ほら、おう、帰るよ」
「えっなんでー!?」
千代に引っ張られ、桜賀も教室を出ていく。
(ゆずの、ごめんねぇ。あと鈴も。なんか面白くなりそうだから楽しませてね!!)
千代はこういう恋愛関係を楽しむ人です。
ひどい!!なんで行っちゃうの千代ちゃぁーーん